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PROJECT 01 グループ各社と一体となり、生産工程の業務を見直し、“つくる”をつなげ。

IHIグループには様々なものづくりの事業領域があり、IHIほか200社近くのグループ会社が存在します。それぞれの会社で行なっている生産管理業務の中から、各社固有の業務と共通の業務を整理し、共通する業務にかんしては、グループ全体で同一の生産管理システムプラットフォームを活用できるように働きかける挑戦が「つなぐプロジェクト」。このプロジェクトは2018年からスタートしたもの。今回はそのプロジェクトにおいてIHIの主管部署とともに、牽引役の一人を務めるIHIエスキューブのプロジェクトマネージャ(PM)の動きを中心に、プロジェクトの醍醐味、プロジェクトをつうじて見えてくる当社の魅力について紹介します。

01お客さまの現場に入り、
お客さまの業務のリアルを知る。

IHIグループが推進する「つなぐプロジェクト」の3社目となる原動機生産のグループ会社は、船舶用エンジンのリーディングカンパニーのひとつだ。
入社13年目となるT氏は、このプロジェクトのPMとして参画した時の様子をこう振り返る。
過去のSyteLine導入経験を評価され、PMに抜擢されました。お客さまの最初の印象は、「“熱量が高いなあ”と。新しい生産管理システムに対する期待の高さを感じました。」
T氏の最初の役割は、お客さまの業務を知ること。T氏は、この工程が大好き。
「お客さまが日々やっていることを聞くのは面白いですね。普段、システムだけを見ていると、その画面にはボタンが並んでいるだけ。しかし、お客さまの話を聞くと、1つのボタンを押し、次のボタンを押すまでの間に、紙を出力して社内を走り回る業務が発生したりしているのです。こうした無駄は業務の整理やシステムの改善でなくすことができる。そういう意味でも、お客さまの話をじかに聞く時は、“役立てることが見つかるのではないか”とワクワクする。」と言う。
今回のお客さま担当者は特に熱量が高く、工場の見学にも「是非、来てほしい。」と言ってきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワークが続いていたT氏も喜ぶ。
「やっぱりものづくりの現場の雰囲気を自分の目で見ると見ないとでは大きく異なります。リアリティがあって初めて、システムも、お客さまとの心の距離も縮まり、その後の情報共有もしやすくなりますからね。」と語った。

02業務プロセスの
課題を整理し、
膝を突き合わせ議論。

お客さまの業務プロセスの整理は、IHIの主管部門である「高度情報マネジメント統括本部」が中心となり、約半年の時間をかけて行なう。T氏の役割は、その業務プロセスとシステムを効率よくつなぐこと。業務プロセスの整理に続く「フィット&ギャップ」と呼ばれる工程では、より重要な役割を果たしていく。
「お客さまの業務の効率化を阻んでいる課題は、システムのカスタマイズで解決できる課題なのか。業務自体の見直しを図るべきなのか。お客さまと膝を突き合わせて議論していきます。」とT氏は話す。
とはいえ、つなぐプロジェクトの目的は、IHIグループ各社の業務プロセスを最適な共通プロセスに近づけていくこと。常にIHIグループ全体の効率化を目指している。お客さまと議論すると言っても、一方的にお客さまの要望を聞き、無理や無茶に応えなければならないということではない。むしろ、お客さまとの関係性も、システムを買う人とシステムを売る人ではなく、共通のゴールを目指し、一緒に走り続けるチームが理想である。
T氏は「実際、お客さまの担当者は、私のことを同じ会社の若手のように思っていると思います。“このエンジンの構造、覚えた?”なんて会話を当たり前のようにしてくるんですよ。」と笑いながら話してくれた。

03ICTのスペシャリストとして、
お客さまと若手を導く。

しかしながら、お客さまとIHIエスキューブでは、プロジェクトにおける役割や、それぞれが持っている専門性は異なる。業務プロセスを整理し、「フィット&ギャップ」の工程で議論を交わし、大枠の合意を取り付けていたとしても、いざ、要件定義と呼ばれるシステムの仕様の決定段階になると、お客さまの言うことがいきなり変わることもある。具体的にイメージができていなかったために、このような事態が生じてしまう。
「お客さまはものづくりのプロであるものの、ICTのプロではありません。そこは、私たちがIHIグループにおけるICTのスペシャリストとして、引っ張っていく必要があります。」と話す。
不明な点をしっかり聞き出し、もう一度、話を整理し直していく。ここで、きちんと納得してもらっていないと、その後の工程はまずうまくいかない。打ち合わせを何度も行ない、その内容を資料として可視化し、改めて合意形成を行なっていく。特に、今回はオンラインによるリモート会議が中心。コミュニケーションの取り方にも細心の注意を払った。
また、T氏はPMとして、このプロジェクトに参加する若手メンバーを育成する役割も担っている。資料づくりなどはできるだけ若手に任せ、丁寧にレビューを繰り返すことで、それぞれのメンバーの成長を促していった。

04IHIグループ全体と
自分自身の成長を
見据えながら。

進行中の導入プロジェクトにかんしては、現在、要件定義の工程を終え、システムの開発に着手したところだと言う。T氏自身が「最難関」と語るシステムの本番移行の段階にもまだたどり着いていない。それでも、彼女の目は現在と未来を常に行き来しながら、IHIグループ全体の成長と自分自身の成長をしっかりと見据えている。
「今回のプロジェクトが完了すれば、おそらく4社目、5社目と生産管理システムプラットフォームを活用するグループ会社は広がっていくと思います。最終的には、グループの事業領域ごとで1つのシステムを共有し、業務プロセスもできるだけ統一化を図れる状態に持っていきたい。そうすれば、IHIグループの一層の成長につながると思いますし、結果、より社会にも貢献できると思うのです。」とT氏は話す。
さらに、今後の目標を尋ねると「私自身で言えば、次はより大規模なプロジェクトやまったく異なるタイプの仕事にも挑戦してみたいと思っています。当社は、女性だからといってチャンスが回ってこないなんてことはないですし、そもそも、この仕事は男女差なく、フラットに挑戦できる仕事。成長し続けることができます。」と答えてくれた。
T氏は今日も、IHIグループの様々な「つくる」をつないでいる。

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