ページの先頭です。

本文へ移動する。

PROJECT 02 世界で、日本で、ネットワーク環境を進化させろ。

IHIグループでは、ものづくりの進化を目指すうえで、常にものづくりを支えるICT環境の見直しを行なっています。2018年、次期ICT基盤の構想を検討するチームでは、一層のグローバル化が進むIHIグループのネットワーク環境を、まずは海外拠点を中心に、クラウド型プロキシサービスに置き換え、その後、国内に展開しようという話が持ちあがりました。今回は、その「クラウド型プロキシサービスの導入プロジェクト」の全容を2018年の検討段階から携わっているT氏と、入社3年目にしてこのプロジェクトに参画することが決まったK氏の2名に話を中心に、彼らの想いなども交えながら紹介していきます。 ※クラウド型プロキシサービス…インターネット接続の際に仲介役となってアクセスの代理を行なうプロキシシステムを、物理的なオンプレミス(自社運用)型からクラウド型に置き替えてネットワーク環境を構築する仕組み

01IHIのメンバーとともに、
検討段階から参加する。

「クラウド型プロキシサービスの導入プロジェクト」がスタートする約1年前。その後、同プロジェクトにてIHIエスキューブ側のメイン担当を務めるT氏は、IHI高度情報マネジメント統括本部(高マネ統括)のメンバーとの打ち合わせに参加していた。
「もともとIHIグループのネットワーク環境は、データ流出やサイバー攻撃などのリスクを防ぐため、各拠点から外部に直接は接続できないネットワーク環境になっていました。しかし、拠点の増加やデータの高容量化につれて、特に海外を中心に回線が混雑する状況が増え、社内の限られたプロキシを介さず、各拠点から直接インターネットに接続できるクラウド型プロキシサービスへの移行を検討することになったのです。」とT氏はプロジェクト発足の背景を語る。
しかし、クラウド型への移行は、当然メリットばかりではない。T氏は、高マネ統括のメンバーとともに、どのくらいコストがかかるのか、そのコストに見合ったメリットはあるのか、セキュリティをはじめ、リスクは何がどのくらいあるかなど、既存環境との違いを調べあげ、IHIの経営層へのプレゼンテーションも行なった。
そして、2019年。経営層からの承認がおり、まずはアジア・アメリカ・ヨーロッパに展開する海外拠点からクラウド型への移行がスタートすることが決まった。T氏はこの一連の意思決定をこう振り返る。
「IHIとIHIエスキューブの関係は親会社と子会社ですが、社員の交流も盛んですし、ことICTにかんしては私たちに常に意見を求めてくれます。今回のように企画の検討段階から入り、経営層へのプレゼンテーションまでできるのも大きなやりがいですね。」

02関係部署との
打ち合わせ、
海外拠点への説明。

2019年、T氏を中心にプロジェクトがついにスタート。最初に取りかかったのは、基本設計・運用設計と呼ばれる作業だ。大枠の方向性や懸念事項などは確認していたものの、実際に移行するとなると、様々な部署や拠点の協力を仰ぐことになる。
「セキュリティ部門との調整や海外拠点への説明、導入するサービスのベンダとの打ち合わせなど、やらなければいけないことが山ほどありました。」とT氏は話す。
そして、この時期にT氏のサポート役として新たにに参加することになったのが、当時入社3年目のK氏だ。
「サポート役として入ったものの、最初の頃はわからないことばかりで、打ち合わせの内容についていけないことも多々ありました。」と振り返る。
さらに彼女の前に立ち塞がったのは、海外拠点の反応だった。
「本社の決定ではあったものの、これまでの仕事のやり方が変わることに対し、現地のお客さま(IHIグループ会社の社員)の反発は、想像以上に大きかったですね。」とK氏は大変さを語った。
しかし、お客さまへの説明などをとおして、インプットした知識を自分の言葉でアウトプットすることを繰り返すうちに理解も深まり、日に日にK氏の説明の説得力も増していった。
その頑張りについて、T氏も
「私がプロジェクト全体を見ている中、Kさんがお客さまへの説明や利用者展開に向けた機能の検証、マニュアルの作成といった業務をサポートしてくれたのは本当に助かりましたね。」と感謝を口にした。

03海外拠点の導入開始。
と同時に、国内もスタート。

お客さまへの説明に苦労したものの、その後の移行作業は比較的スムーズに進んだ。クラウド型プロキシサービスの導入後には、インターネットの通信速度が格段にあがり、これまで20分ほどかかっていたやりとりが1分足らずで完了し、お客さまから感謝されるケースも増えた。
「まだまだ課題はあるものの、海外拠点のネットワーク品質は、大幅に改善されたと思います。また、導入後の利用者の声を直接聞くことができるのも、当社の仕事の大きな魅力ですね。」と2人は話す。
しかし、プロジェクトが一段落しかけた2020年に新たなミッションが二人の前に現れる。
「実は、海外拠点への導入をすべて終えてから手をつける予定だった国内拠点への導入計画が前倒しになったのです。」とT氏。
原因は、世界規模で起こった新型コロナウイルスの感染拡大。IHIグループでも出社できない状況となり、リモートワークが急増。インターネットのトラフィックが一気に増え、これまで利用していたオンプレミスのプロキシでは対応が難しくなったのだ。
「海外で開始したものを、国内に展開すればいいだけと思うかもしれませんが、規模がまったく違います。海外拠点は全員合わせても1000人程度。しかし、日本国内のIHIグループの社員数となると、数万人という人数になります。」とK氏。
しかも、2021年には国内向けの基本設計や運用設計を固める業務に加えて、まだ導入が終えていない海外拠点への展開も同時並行で進めなければならなかったのだ。

04IHIの進化の裏に、
進化を続ける社員たちがいる。

それから約1年。海外拠点は一通り導入を終え、現在は国内への導入に集中できる状況になってきた。とはいえ、プロジェクトを率いる2人の忙しさは変わらない。
「もちろん、大変なことはたくさんあります。でも、ここまで大きなプロジェクトにもかかわらず、メイン担当として自由にやらせてもらえる環境はそうないと思うのです。ちょっとのことでは物怖じしなくなりましたね。」とT氏はこの数年間を振り返る。
K氏も「要件定義から導入・運用まで一連の流れを経験したことで、技術者としての知識も圧倒的に増えました。しかも、海外拠点とのやりとりも重ね、大きな自信になりました。」と自身の成長ぶりを語った。
最後に、今後の目標について尋ねると、K氏は
「まずは、クラウド型プロキシサービスの国内展開をやり遂げること。国内のお客さまの問い合わせ対応の窓口としても、しっかり責任を果たしていきたい。そして、このプロジェクトが落ち着いたら、今度は小規模でも構わないので、自分が中心となって設計から携わってみたいです。」と抱負を語った。
T氏は「IHIグループの世界規模のものづくりにおいて、私たちIHIエスキューブはICTのプロフェッショナルとして貢献することができます。私自身ももっとネットワークにかんする知識や技術を追求し、スペシャリストとしてグループ全体の役に立ちたいと考えています。」と未来への想いを語った。
進化を続けるIHIの裏に、進化を続けるICTのプロフェッショナルたちがいる。

OTHER PROJECT